こんばんは。
武蔵新城スクールの鈴木です。
高校生の科目選択でも、大学の学科選びでもいいのですが、「あこがれていること」と、「好きでやっていきたいこと」は違うことが多々あります。
その話をする前に、違わない人ももちろんいます。
例えば、「漫画家」にあこがれていて、子供の時からずっと漫画ばかり描き続けて「漫画家」になるならそれはいいです。
「あこがれていること」=「好きでやっていきたいこと」
の例ですね。
ところが、高校生くらいで大学などの進路などを選ぼうとしたとき、その選んだものが、自分にとって「好きでやっていきたいこと」ではないにも関わらず、「やりたいこと」だと勘違いして「あこがれていること」を学科や進路に選んでしまう人も一定の割合でいます。人からどう思われるか、とか、自分以外の視点で選んだりもあります。
なぜ、それがわかるかと言えば、大学で私が教えている際に、そういう子たちをよくみかけるからです。
もちろん、大半ではないです。
正確に数えたわけではないですが、1割程度ですかね。
もう少し具体的にお話しします。
私は、日大の理工学部で、「電子工学科」と「応用情報工学科」の授業をうけもっていますが、こんなことを聞くことがあります。
「授業がこんなに難しいとは思わなかった」
「情報系の分野には就職したくない」
といった、あきらかにミスマッチの子たちがいます。
大学の授業が難しいのではないのです。
その子にとって、「電子」や「情報」といったものが「好き」ではあったけども、「作る」ことや自分が取り組むことには興味がない子たちなのです。
その逆に、子供の頃から「電子工作」や「プログラミング」が好きな子もいます。
そういう子たちにとっては、自分の「あこがれていたこと」と「好きでやっていきたいこと」が同じなので苦にはなりません。
今、塾で指導しているときにもその部分を勘違いしてしまっている子たちが時々います。
昔から、自分は「〇〇が好きだった」といいながらも、何一つ、自分で手を動かしたことはないケースです。
例えば、
・3DのCG(コンピューターグラフィックス)が好きだといいながら、ほぼ自発的に作品を作っていない
・情報系が好き、といいながら、ゲームを2,3個作ったことがあるだけ(経験レベル)
本当に好きならゲーム作りは息をするように作りますし、3DのCGなら毎月のように作品を作っているはずです。
行動に表れていないというのは、本当に「やることが好き」ではないのです。
そういう分野を自分の進路に選ぶと、苦痛で仕方がないどころか、卒業すらできないケースも出てくるでしょう。
この違いを知らない大人も多いです。
それで「〇〇が好きなら、〇〇やったら」みたいな、本当に的外れなアドバイスをしてしまう大人もいます。
子供はそれをまともに聞いてしまうこともあります。
もっとも、なぜこれを強調するかと言えば、私自身がこの誤りをしたからです。
子供たちにはそういった間違いをしてほしくない、そう思って進路相談にのっています。