「中秋の名月」について
10月4日は「中秋の名月」。皆様はご覧になれたでしょうか?「中秋の名月、十年のうち九年は見えず」とも言われ、秋の長雨や台風の影響で中々顔を出してくれないことが多く、やはり今年も雲が中々とれず、夜遅くになってようやく顔を出してくれました。中秋の名月は、旧暦8月15日から16日の夜に見られる月を指します。旧暦では7月~9月を「秋」とします。この季節の細分によれば、「8月」は秋の真ん中で「中秋」となります。旧暦の暦月の日数は29日か30日のいずれかですから、15日は暦月の真ん中の日と考えることが出来ます。旧暦の8月15日という日は、秋の真ん中の月の真ん中の日、つまり秋全体の真ん中の日と考えられますから、この日のことを指して「中秋」と言うこともあります。旧暦は太陰暦の一種ですから日付は空の月の満ち欠けの具合によく対応します。月の半ばである15日の夜の月は必ず満月か満月に近い丸い月が見えることから、「十五夜の月」 = 「満月」と考えられるようになりました。中秋の日(旧暦8月15日)の夜の月も、当然満月かそれに近い月です。中秋の日の夜に澄んだ秋空に昇るこの丸い月は、やがて中秋の名月と呼ばれるようになり、これを観賞する風習が生まれました。また、秋は収穫の時期でもありましたのでその年の収穫物を月に供える風習が各地に残っています。「芋名月」などの呼び名はここから生まれたものだと考えられます。現在、月見団子を供えるのは、芋を供えた風習の変形だと考えられています。最後に、中秋の名月が見られる日は必ず「仏滅」です。それ故、中秋の名月の別名は「仏滅名月」といいます。「大安」「赤口」「先勝」「友引」「先負」「仏滅」は「六曜」とよばれ、この六曜は、(月+日)÷6の計算結果のあまりで決定できます(あまりが0ならば「大安」、あまりが5ならば、仏滅といった具合になります)。中秋の名月は8月15日。したがって、(8+15)÷6=3…5.あまりが5なので、必ず「仏滅」となります。以上、「中秋の名月」の豆知識色々でした。(撮影:松下)